鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学

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Department of Cardiovascular Medicine and Hypertension, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Kagoshima University

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留学生便り

バックナンバー(2022年)

国内

1. 小倉記念病院 循環器内科
田端宏之

皆さまご無沙汰しております。2012年入局の田端宏之です。

大石教授と小倉記念病院白井伸一先生のご縁より2020年4月より福岡県北九州市にあります小倉記念病院へTAVI, MitraClip®を代表とするSHD (Stractual Heart Disease) を中心とした国内留学の機会をいただき, 3年目に突入いたしました。

2021年9月より Sapien3 を用いた TAVI のオペレーターをさせていただき,先日30例が終了し,Sapien シリーズの指導医を申請中です。30例終了後,Evolut Pro+ を用いた TAVI のオペレーターもさせていただくようになりました。鹿児島に戻った際は鹿児島大学でも導入し,鹿児島県の大動脈弁狭窄症の患者さんの治療の選択肢を広げられたらと考えております。

また,透析患者さんに対するSapine3の植え込みや緊急 TAVI のオペレーターも経験させていただいております。

MitraClip® に関しましても,本年もたくさんの症例に携わらせていただき,先日は緊急 MitraClip®の施行症例もありました。無尿だった患者さんが術後より尿量が良好に流出するようになり,治療の効果を改めて実感しております。今年度より鹿児島大学でも開始となり,これまでの全症例に関わらせていただきました。今後 Proctor が終了し,鹿児島大学でも本格的に開始となった際には神田先生・堀添先生をはじめ鹿児島大学のスタッフとともに外科手術がハイリスクで僧帽弁閉鎖不全症で困っている患者さんを一人でも助けられたらと考えております。

最後になりますが,貴重な機会を与えていただきました大石教授をはじめ医局員の皆様に深く感謝申し上げます。留学を終え,鹿児島に戻った際には小倉記念病院で学んだ医療を少しでも多く鹿児島の先生方,また患者さんへ還元できればと考えております。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

2. 済生会熊本病院 循環器内科
吉村あきの

同門会の先生方ならびに医局員の先生方,お久しぶりです。2008年入局の吉村と申します。拙い文 章ではございますが,せっかくの機会ですので,近況をご報告させていただきたいと思います。2021年4月に,済生会熊本病院にきて早1年半がたとうとしております。

こちらには,不整脈を中心として勉強させていただいております。

昨年度もご紹介したように,ここ済生会熊本病院は,虚血ならびに Structure も有名ですが,不整脈班も,もはや説明がいらないぐらい有名な元弘前大学教授の奥村謙先生を筆頭としたチームで,九州でも有数の症例数を誇る病院です。アブレーションの数は年間1000例を超え,デバイス症例もペースメーカーをはじめとし,非常に数が多い病院です。

私にもたくさん症例をあてていただき,最近は通常の心房細動であれば,なんとか一人でやりきるようになってまいりました。(もちろん,非常に優秀な ME さんの力をかりた上で,困った時には助けてくださる周りの先生達のおかげですが,昨年よりだいぶお力をおかりする割合は減っている…と思います)。High volume センターですので,Q dotやOctarayなどのCARTOシステムの新しい技術や,AV 同期できるリードレスペースメーカー等もいち早く診療に取り入れられ,自分の技術の向上に加え,新しい技術に触れる機会もいただいております。

研究に関して楽しみなのは,左脚領域ペーシングでしょうか。より生理的なペーシングをするための 技術で,おそらくHis束ペーシングにとってかわると私は思っております。ご興味のある先生は,見学にきていただけるととても面白いと思います。

施設としては,少し駅からは離れた場所にはありますが,働きやすい病院です。当直ももちろんありますが,当直明けは,帰宅できるので衰え始めた体には,非常に助かります。activityも高く,他の領域の先生方や,レジデントの先生たちからも刺激をいただいております。(現在絶賛レジデントを募集中の様です)。

プライベートでは,コロナ禍で相変わらず時々ひとりドライブをする程度でしたが,少しずつご飯にも行ったりしております。鹿児島には負けますが,熊本も食材から美味しい土地柄ですので,熊本にいらっしゃった際にはおすすめをお教え致しますので,お声がけください。

最後になりましたが,この様な機会をいただいた大石教授をはじめ,不整脈の先生方,私の背中を押してくださった先生方にお礼を申し上げます。もうひとまわり,大きくなって,鹿児島に還元できるよう,精進を続けたいと思います。

3. 国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門 不整脈科
榎園 圭

2017年度入局の榎園圭と申します。昨年に引き続き,大阪府吹田市にあります国立循環器病研究センター心臓血管内科不整脈科部門で研修をさせていただいております。今年はCOVID-19の影響も少しずつ小さくなり,規制も緩和されてきました。仕事は忙しいですが,妻ともうすぐ2歳になる娘を連れて,京都や奈良に観光に行ったり美味しいものを食べたりと,充実した毎日を送っております。

簡単に当院の紹介をさせていただきます。当院は循環器疾患に特化した世界有数のハイボリュームセンターで,循環器内科医だけで120名以上が在籍しております。不整脈科では草野研吾副院長をはじめとして,常勤スタッフ14名と専門修練医6名,レジデント5-6名が日々診療にあたっております。不整脈科の診療実績としては,10月現在の時点で年間アブレーション750例以上・デバイス関連650例以上のペースと豊富な症例数を誇っています。前年度まではアブレーションをカテ室2室で運用していましたが,今年度の途中から3室へ運用拡大となり,徐々に症例数が増加してきています。

国循では他院で手に負えない複雑症例や希少疾患も経験することができ,非常に勉強になります。また在籍されている先生方は,臨床はもちろんのこと研究や学会活動でも実績を残されており,そういった環境で学ばせていただくことは非常に光栄です。私も何とか爪痕を残そうと四苦八苦しております(ESC にアクセプトされましたが,残念ながら社会情勢を鑑みて取り下げいたしました)。

貴重な国内留学の機会をいただきました,大石先生をはじめとする鹿児島大学心臓血管・高血圧内科学の先生方に感謝申し上げます。私が鹿児島に戻りましたら,国循での経験を活かして鹿児島の医療に貢献できるよう努めて参りますので,何卒よろしくお願い申し上げます。