学部生の方へ
教育担当より
学生教育のこの一年(2024年)

宮永 直
今年度,教育担当を拝命しました宮永です。大学病院は,研究・医療機関であると同時に教育機関です。これまで臨床を中心とした日々をおくっていた私にとって,教育は少し遠いところにあるものでしたが,教育担当となったことで近年の教育現場を垣間見ることができました。
自分の医学生時代と比較するのは不適切かもしれませんが,以前と比較して今の学生は遥かに勤勉で,進級に関しても多くのハードルが用意されています。「自分は早くに医者になっていて良かった」というのが率直な感想です。
医学生教育は,現代の医療情勢を踏まえると非常に重要な役割を担っています。医療技術や科学の進歩は目覚ましく,AI やロボティクス,遺伝子編集技術などが医療現場に導入され,医師には最新技術を迅速に習得し,適用できる能力が求められています。情報収集や業務を効率化する能力は,学生たちの方が高い事は言うまでもありません。しかし,技術力のみならず,患者に寄り添うコミュニケーション能力や倫理的な判断力も,医療の質を高めるためには不可欠です。医学生には,幅広い知識と技能に加え,人間的な感性や共感力も同時に育むことが期待されています。
また,新型コロナウイルスのパンデミックは,医療従事者が直面する現場の過酷さを改めて浮き彫りにし,即戦力となる人材の育成が急務であることを明らかにしました。そのため,従来の講義中心の教育に加えて,シミュレーション教育や臨床実習がより一層重要視されるようになっています。現場での実践的なトレーニングを通じて,学生は複雑で多様な医療状況に対応できる能力を養い,早期から実務的なスキルを磨くことが求められています。
テクノロジーの進化に追随しつつ,患者中心の医療を提供するためには,倫理観や共感力の育成が不可欠です。将来の医療を支える優れた医師を育成することが,より多くの患者を救う未来へ繋がると実感できたことは,私自身にとって貴重な経験でした。
忙しいなか学生教育に協力頂いている学内・学外の先生方に,この場を借りて感謝を申し上げます。未来の鹿児島の医療の担い手を育むため,今後ともご協力の程よろしくお願い致します。