学部生の方へ
教育担当より
学生教育のこの一年(2023年)
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堀添 善尚
今年度, 教育担当の仕事を授かりました。もともと, 医学生は学習能力が高く, また医療に貢献すべく意識も高い学生らがほとんどですので, ほっといても伸びていくだろうというのが私の認識でした。しかし, 医学生を取り巻く状況は, 年を追うごとに厳しさを増しており, 卒業後にある程度の戦力となることが求められる時代となっています。私の卒業後一年目といえば, 当直中にどう対応したかわからず, 外勤先から大学当直の髙﨑州亜先生に, 深夜に何度も電話をして, 何かと助けてもらったもので, 今となれば寒気のする思いです。髙﨑先生, 本当にありがとうございました。今でも, あの時に助けていただいたことは忘れていません。
「大学は診療機関であるだけでなく, 教育機関である」とは教授秘書の下島さんの言葉で, 日々の診療に追いまくられている私にとっては, はっとさせられる言葉でした。教育係の仕事といえば, テスト問題を取りまとめたり, 講義のスケジュール調整をすることだけかなと思っていましたが, 実際に教育担当の仕事をしてみて, まったく違うことが分かりました。カリキュラムを考えたり, 診察技術の講習を受けて学生に還元したりと, 多くの要請がありました。前任の市來仁志先生はもちろんのこと, これまでの教育担当の先生方には本当に頭が下がる思いです。
教育担当の仕事は, 心臓血管内科医を育てることだけではなく, 鹿児島大学医学部の教官として, 一人前の医師として社会に貢献できる人材を育てる重要な役割を担っていると思います。そもそも私自身を振り返って, 成長途上にありますので(伸びしろはそれほどありませんが), 重大な任務を負ってしまったと重責に押しつぶされそうな心持になってしまったものです。その中で, 副担当の窪薗琢郎先生や毛利翔悟先生に大変な助力をいただきました。毛利翔悟先生は医歯学教育開発センターのスタッフとしてでなく, 足らない私を惜しみなく助力くださいました。毛利先生の力がなければ, 私は早々に立ちいかなくなってしまったことでしょう。
これまでの教育担当の先生方の仕事に少しでも積み重ねることができればよかったのですが, 今回は叶いませんでした。今後, 再び機会があれば, 一人前の医師としてのみならず, 薩摩隼人のスピリットを兼ね備えた医師を育てる一助となる貢献ができればと思っています。本当に忙しいなかご協力いただき, 誠にありがとうございました。