研修医の方へ:心臓血管・高血圧内科学の多彩な研修イメージ
循環器専門医
循環器専門医取得を目指して
日本循環器学会は、循環器学の進歩発展に即して循環器病を専攻する優れた医師を循環器専門医として認定しています。
循環器専門医を取得するためには、様々な循環器疾患症例を経験し学会に報告する必要があります。鹿児島大学心臓血管・高血圧内科学教室には以下のような多数の診療グループがあり、主要な循環器疾患からまれな循環器疾患まで幅広く隈なく経験することが可能です。詳しくは別途HP上に紹介してありますが、以下に概要を記します。
- 虚血グループ(心臓カテーテルグループ):虚血性心臓病(狭心症、急性冠症候群、急性心筋梗塞)の診断およびカテーテル治療、カテーテルによる心筋生検、閉塞性動脈硬化症の診断やカテーテルによる血管内治療などを行う。
- 弁膜症・成人先天性心疾患グループ(心エコーグループ):心臓弁膜症や成人先天性心疾患の診断治療を行う。心エコーや血管(頸動脈、末梢動静脈、腎動脈など)エコーによる検査を行う。
- 心不全グループ:様々な原因疾患に伴うあらゆる心不全の診断や高度治療を行うとともに、心臓リハビリテーションを行う。
- 不整脈グループ:発作性上室性頻拍や心房粗細動などの頻拍性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療、心室頻拍や心室細動に対するICD植え込み、心不全患者に対するCRT植え込み治療などを行う。
- 高血圧・動脈硬化グループ:難治性高血圧治療や、原発性アルドステロン症・褐色細胞腫などの二次性高血圧症の診断治療、急性大動脈解離の診断治療、閉塞性動脈硬化症の診断治療、脂質異常症の診断治療などを行う。
- 肺循環グループ:肺高血圧症、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)、肺塞栓症など、肺循環に障害を来す疾患の診断や治療を行う。CTEPHに対してはカテーテルによる肺動脈拡張術も行う。
循環器専門医取得条件に関しては、2019年4月から始まる ①新専門医制度(2016年以降に医師免許を取得した方もしくは新制度のプログラムを開始している方)と、②従来から実施している旧専門医制度(2015年以前に医師免許を取得した方)の 2つが存在し、それぞれ対応が異なります。それぞれ対象となる方が異なるため、各自でよくご確認してください。以下に詳細を記します。
① 2016年以降に医師免許を取得した方もしくは基本領域において新制度のプログラムを開始している方
- 日本循環器学会が提供する循環器 J-OSLER(システム)で研修開始日を登録し、3年以上の研修期間が必要。
- 循環器指導医に指導を受けた30症例以上の経験症例数
- 筆記試験前日までに新制度の内科専門医、外科専門医、小児科専門医いずれかの資格を取得していること。
- 本学会正会員であり、通算して3年以上の正会員歴を有すること。
- 受験する年の3月末までに循環器領域の新制度研修を修了していること。
- 本会が定める高度な救急蘇生法に関する講習(AHA ACLSプロバイダーコース、AHA PALSプロバイダーコース)を受け、受験年度の4月1日現在有効な認定を受けていること。
② 2015年以前に医師免許を取得した方
- 日本国の医師免許証を有していること。認定内科医、総合内科専門医、外科学会認定登録医、外科専門医、小児科専門医、いずれかを取得していること。
- 日本循環器学会正会員であり、通算して6年以上の正会員歴を有すること。(2019年まで)。※2020年からは3年以上の正会員歴で可能となる。
- 循環器指導医に指導を受けた30症例の経験症例数
- 医師免許取得後、専門医試験日前日をもって満6年またはそれ以上の臨床研修歴を有すること。6年のうち3年以上は本学会指定の研修施設で研修していること。
※2020年からは
- 2004年度(平成16年度)以降に医師免許を取得したものは、内科系は認定内科医、外科系は外科専門医、小児科系は小児科専門医資格取得後、専門医試験日前日をもって満3年以上本学会指定の研修施設で研修していること。
- 「AHA ACLSプロバイダーコース」「AHA ACLS-EPコース」「AHA ACLSインストラクターコース」「AHA ACLS-EPインストラクターコース」のいずれかを受講し、受験年度の4月1日現在有効な認定を受けていること。また小児科系に限り「AHA PALSプロバイダーコース」「AHA PALSインストラクターコース」も同等資格として認める。
以上を満たすことが受験資格となります。
ただし、新専門医制度が始まる関係で旧制度対象の認定審査は 2023 年度で終了し、2020?2023 年の受験資格(会員歴と研修歴)に優遇措置を設けられています。2019年の試験は優遇措置を設けませんのでご注意ください。
<優遇措置(2020年以降の受験)>
- 会員歴が3年以上であること。(従来は6年以上)
- 循環器研修を基本領域資格取得年の4月から開始可能。(従来は基本領域資格取得後、筆記試験前日までに満3年の研修が必要であった。例えば2017年9月に認定内科医を取得した先生は筆記試験が8月のため最速でも2021年の循環器専門医試験受験でしたが、優遇により2020年に受験が可能となる)
- 研修関連施設での研修を研修施設と同等の扱いにする。
研修関連施設での研修は、2019年までは研修施設の 1/2 として計算することになります。そのため、専門医取得までは以下のパターンがあります。
※2019年の受験までは上記のように研修関連施設は1/2のカウントですが、2020年以降は研修関連施設も研修施設と同様にカウントされます。※学会HP(http://www.j-circ.or.jp/)でも研修施設・研修関連施設の検索ができますが、HP掲載情報とは異なった指定区分の期間を持つ施設もあるためご注意下さい。
当科では循環器専門医を効率よく確実に取得できるよう、一丸となって全面的にサポートします。