鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学

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Department of Cardiovascular Medicine and Hypertension, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Kagoshima University

診療について

患者様へ:当科が専門的に行っている疾患・治療

患者様向け

心肺運動負荷試験(CPX)

心肺運動負荷試験(Cardiopulmonary exercise testing)

心疾患患者において、運動能力と生命の長さが密接に関連していることは以前から知られています。ここで紹介する心肺運動負荷試験(図1)は、より具体的に運動能力を評価することができる有用な検査方法です。最大運動能の指標である最大酸素摂取量(Peak VO2)は生命予後と強い関係がありますし、嫌気性代謝閾値(AT)は、有酸素運動の指標で、それを基にして運動を行うことにより、安全に運動療法を施行することができます。また、ATを基に生活を行うことで、より安全に生活することができます。

以上のように、CPXは心疾患患者さんを診療する上で、非常に重要な検査であるといえます。

CPXの方法(図2)

酸素の取り込みを評価するためのマスクを装着し、自転車にのっていただき、血圧や心電図を計測します。安静時の呼気ガスを評価し、異常値がないことを確認し、検査がスタートとなります。

はじめに、安静時4分間のデータを確認します。その後、0~20ワットの定常負荷でウォーミングアップ3~4分間施行したのちに、漸増負荷試験(Ramp負荷)を行います。

漸増負荷は、運動耐容能の低下した症例は、一分間に10 W/分ずつ増加する負荷量で、運動耐容能が保たれている症例には、一分間に20 W/分あるいは30 W/分ずつ増加するRamp負荷を用います。自覚的最大運動強度まで負荷を行って頂きます。負荷終了後は、最大負荷量や症例に応じて0~10ワット程度でのクールダウンを行います。検査は40分程度で終わります。