医療関係者様へ:当科が専門的に行っている疾患・治療
医療関係者様向け
経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)
近年、日本の高齢化が進むにつれ、大動脈弁狭窄症(AS)の罹患率が上昇し、65歳以上のASの罹患率は 2~4%、日本における潜在患者数は70万~140万人と推定されています。このため、世界に先駆けて急速に高齢化が進む日本において、重要な課題となっています。ASは症状が発現した後の予後が極めて悪く、狭心症が発現すると5年、失神が発現すると3年、心不全が発現すると2年と報告されており、治療には大動脈弁置換術が必要です。しかしながら、高齢であったり、心臓の機能が悪かったり、また心臓以外の他の病気のために通常の心臓手術(開心術)による大動脈弁置換術を受けるのが困難な場合が存在し、約40%近い重症AS患者様が開心術による大動脈弁置換術を受けられていないといった報告もあります。近年、大動脈弁狭窄症の新しい治療として、カテーテルを使った大動脈弁置換術があります(TAVI:Transcatheter Aortic Valve Implantationの略;経カテーテル大動脈弁留置術)。足の付け根の動脈から折りたたんだ人工弁の内側に弁を開くための風船を装着した特殊なカテーテルを入れ、大動脈弁まで持っていき、狭くなった大動脈弁を新しい人工弁に置き換える手術で、胸を切り開いたり、心臓を止めたりすることはありません。当院でも心臓血管内科・外科およびコメディカルを含めたハートチームで適応を検討し、治療にあたっています。