医療関係者様へ
病棟医長より
バックナンバー(2020年)
心臓血管内科病棟のこの一年(2020年)
赤﨑 雄一
令和2年4月より, 病棟医長を務めさせていただいております, 赤﨑です。
4月からのスタート時には, 前任者で副病棟医長の池田先生にサポートいただき, スムーズに病棟医長業務を開始することができました。しかしながら, スタート早々, 新型コロナウイルス感染対策から始まりました。特に4-6月にかけては, 社会的にも全国医療機関でも混乱している状態で, 鹿児島大学病院の方針も, 刻々と変わるために, それに対応するだけで, 頭を抱えておりました。特に救急患者の受け入れだけでも, コロナ感染者や疑わしい場合の対応について, 患者の受け入れ方法, 院内動線の確認, 血管造影室の対応など考えることは多く, こちらは副病棟医長の神田先生に非常に助けられながら, 一緒に頭を悩ませ対応しました。全国的にも落ちつきつつあり, 当科も日常診療については, 通常に戻ることができておりますので, 情勢が悪化しないことを願っています。
病棟では, 1月から不整脈グループに榎園先生, 4月からカテグループに大牟禮先生, 心不全グループに山口先生, 高血圧グループに迫田先生と, 元気な先生たちが一緒に働いてくれています。3年目や研修医の先生の良き兄貴分として, 引っ張ってくれています。3年目の先生は, 大坪先生, 川畑先生, 隈元先生, 窪田先生, 林先生, 東先生, 別府先生の7名が専門研修をしています。コロナ禍の影響で, 歓迎会もできなかったのですが, 指導医の先生ともすぐに溶け込み, 非常にチームワークも良く, みるみる頼もしくなっている姿を見ると大変うれしく思います。今年度から, 救急患者来院時や, 急変などがあった時の連絡に, グループLINEを取り入れてみました。ローテーション中の研修医の先生にも参加していただいていますが, 一斉に連絡が届くと, 興味を持ってすぐに駆けつけてくれることは, 大変良かったと思います。また, 病棟・外来・医局に散らばっている先生にも, 病院内で何が起きているのかが把握できるので, 役に立っているのではないかと思います。
診療面についての新しいこととしては, IMPELLA補助循環用ポンプカテーテルが導入されました。4月の導入開始早々に, 重症心筋炎の患者に使用することとなり, 救命することができました。鹿児島県下における重症患者を受け入れる役割を再認識いたしました。
病院教育を行うことも, やはり新型コロナウイルス感染症の影響は大きく, ポリクリ, カンファレンス, 回診などにおいても感染予防対策を行い, 世間の状況を踏まえながらの教育を行っています。少しでも循環器診療の楽しさを学んでいただけるように, 今後もアイデアを出しながら, 努力したいと思います。
新型コロナウイルス感染症流行に伴い, 関連病院の先生も, 我々と同様に大変苦労されていることと思います。そういった中でも, 先生方に大学病院を信頼いただき, 安心して患者様を紹介していただけますように, 今後も精一杯, 一丸となり頑張っていきたいと思いますので, 今後とも, ご指導, ご協力を何卒よろしくお願いいたします。
入院患者様疾患内訳(2019年11月~2020年10月)
心臓血管内科入院患者数 974例
虚血 382例
不整脈 135例
上室性不整脈 | 97例 |
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心室性不整脈 | 22例 |
徐脈性不整脈 | 16例 |
心不全/心筋症/心筋炎 108例
弁膜症 96例
大動脈疾患 17例
末梢動脈疾患 74例
肺動脈性肺高血圧症/肺塞栓症 98例
感染性心内膜炎 9例
先天性心疾患 4例
高血圧症 26例
その他 25例