鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学

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Department of Cardiovascular Medicine and Hypertension, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Kagoshima University

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病棟医長より

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心臓血管内科病棟のこの一年(2014年)

病棟医長
内匠 拓朗

今年7月より前任の髙﨑先生から私,内匠が病棟医長を引継ぎ,病棟運営を担当させていただいております。髙﨑先生が円滑に病棟運営をされていましたので,基本的にはすべてを継続しております。

昨年と同様,木曜日の朝に病棟症例カンファレンスを行っております。原則,医局員全員が参加し,入院患者様の治療方針の最終決定の場とする方針で進めていますが,なかなか難しいと私自身は感じています。下の先生にすると,言いたことがあっても,やはり発言しにくいようです。もっと活発に発言が出る場にできればと思ってはいますが,進行役の私の雰囲気づくりが良くないようです。申し訳ありません。

さて,病棟での診療体制は,不整脈,肺高血圧,心不全,高血圧,虚血性心疾患の各グループが,それぞれの専門性をもって患者さんをみる形になっています。一年を通して,入院患者数が変わらないのは,不整脈症例です。心房細動に対するアブレーションを中心とし,ICD・CRT-Dの植え込みも多数行っています。基本は,火曜日,水曜日,木曜日午後に手技を行っていますが,月曜日や金曜日にもデバイス植え込みを行っています。吉村先生が,鹿児島市医師会病院に異動し,一人少なくなった状態ですが,件数は減ることなく維持されています。肺高血圧,心不全,虚血性心疾患の症例は,入院患者が多い時期もあれば,少ない時期もあるといった感じです。肺高血圧については,昨年と同様にエルゴメーター負荷右心カテーテル検査にて,境界レベルの肺高血圧症例の早期診断・加療を試みています。何故だか,重症肺高血圧患者の入院が続くことが多く,少ないメンバーで難治性疾患の診療にあっています。心不全症例の診療には,心不全グループの先生が対応しています。末期重症心不全患者様の入院診療のみならず,心臓リハビリ,外来患者のCPX検査まで,多岐にわたる仕事こなしています。今年は,二次性高血圧症が疑われる患者さんに対して,数日間の検査入院を高血圧グループの先生が行っています。原発性アルドステロン症が疑われる症例においては,放射線科と協力し,サンプリング目的の入院を行っています。虚血に関しては,以前と変わりありませんが,カテ待機をつくり,基本的には365日いつでも急患を受け入れるようしています。

4月からは新入医局員の先生たちも病棟で活躍してくれています。各グループを3つに分け,それぞれに2か月間所属する形で,半年間研修し,現在はグループに関係なく主治医をしてもらっています。受け持ち患者様も多いですが,みんな頑張ってくれています。

平成26年度は,4月から10月まですべての月で新入院患者様数が昨年を上回り,また,多くの先生方のご協力により入院日数も短縮することができています。本当にありがとうございます。

新棟に移動しての一年でしたが,院内の先生方だけでなく,関連病院・OBの先生方のご協力により,病棟での診療が行えていることに心から感謝申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

入院患者様疾患内訳(2013年11月~2014年10月)

心臓血管内科入院患者数 714例

虚血 225例

不整脈 198例

上室性不整脈 152例
心室性不整脈 32例
徐脈性不整脈 14例

心不全/心筋症/心筋炎 83例

弁膜症 39例

大動脈疾患 19例

末梢動脈疾患 14例

肺動脈性肺高血圧症/肺塞栓症 69例

感染性心内膜炎 5例

先天性心疾患 8例

高血圧症 13例

その他 40例