鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学

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Department of Cardiovascular Medicine and Hypertension, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Kagoshima University

診療について

医療関係者様へ

病棟医長より

バックナンバー(2012年)

心臓血管内科病棟のこの一年(2012年)

病棟医長
窪薗 琢郎

平成24年6月中旬より前任者である桶谷先生から病棟医長を引き継ぎました。 引き継いだ直後からまだ慣れていないにもかかわらずベッドが不足し,ベッド調整に難渋いたしました。病棟医師,看護師共に忙しい毎日を送っており,たまには休ませてあげたいと来週こそは入院患者が減るであろうと励ますのですが,入院患者が減ることはなくその後も順調に患者数は維持され,8階西病棟のベッド稼働率は常に院内で1,2位に位置しております。8階西病棟は旧第一内科の病棟であり,心臓血管内科,血液・膠原病内科,糖尿病・内分泌内科の混合病棟であることは変わりありませんが,血液・膠原病内科は吉満先生,糖尿病内分泌内科は福留先生が病棟医長をされておりお互いの協力のもとで何とか切り盛りしております。患者さんが途切れずにいることは関連病院の先生方のお陰と感謝しております。

心臓血管内科では多岐にわたる心疾患患者の診療に当たっており,お互いが協力しながら一致団結して患者さんの診療に当たっておりますが,ざっくりとグループに分けるならば,心カテグループ,アブレーショングループ,心不全グループ,肺高血圧グループとなるでしょうか。ここで各グループについてご紹介いたします。

心カテグループは濱崎先生,才原先生が後ろに控え,内匠先生を中心に神田先生,徳重先生を軸とし診療に当たっております。慢性閉塞病変や石灰化の非常に強い病変,屈曲の非常に強い病変など一筋縄ではいかない病変も多いという現状がありますが,合併症を来たすことなく良好な成績を得ております。さらに,ただ拡張するだけでなく再発予防に向けた詳細な説明を行い患者さんの理解を深めていただいております。一方,最近では慢性血栓塞栓性肺高血圧に対する肺動脈バルーン拡張術も軌道に乗り,症例を重ねております。

不整脈グループは,桶谷先生が医局長となり戦力ダウンとなるかと思われましたが,奥井先生,市來先生,入來先生といった性格の全く異なった3人で診療に当たっております。心房細動に対するCFAEアブレーションは日本全国から注目され,これまで困難と思われていた慢性心房細動に対して良好な成果を上げていますし,その他の上室性不整脈や心室頻拍に対するアブレーション,徐脈性不整脈に対するペースメーカなど不整脈全般に渡って実績を積み重ねております。さらに,重症心不全に対する心臓再同期療法や,植え込み型除細動器植え込みの症例数も順調に増加しております。

心不全グループは,新里先生と私に川添先生を加え,軽症から最重症の心不全患者に対し診療を行っております。薬物療法や運動療法,和温療法を行いながら,心臓再同期療法の適応,外科的手術の適応とタイミングについて慎重に検討しながら数々の重症心不全患者の改善を得ることができております。

肺高血圧グループは,窪田先生と肥後先生が重篤な肺高血圧症例の治療に日々駆け回っております。関連病院の先生方にも周知の事実となっていると思いますが,慢性血栓閉塞性肺高血圧症に対する肺動脈バルーン形成術は華々しい成績が得られております。その結果は,両先生の絶え間ない努力と,病棟全体の総合力のたまものであると思います。

おっと,病棟医として忘れてはならない先生がいました。臨床から再生医療までこなす樋口先生です。誰に持ってもらうか困った症例は,樋口先生に持ってもらえばうまくこなしてくれます。まさに「ハマの大魔神」というより「ハマのなんでも屋」といった活躍をしてもらっています。

て,2012年3月一杯で鄭教授が退官するに当たって,病棟の人事面でも大きな異動があった一年間でありました。

1月には2011年の新入医局員である濱元裕喜先生が鹿児島市立病院へ,川畑孟子先生が藤元早鈴病院へ出向されました。両先生ともに9カ月という短い間にもかかわらず,臨床医として必要な知識や技術を備えて旅立って行きました。出張先でも益々活躍していると聞いております。一方,鹿児島医療センターから奥井英樹先生,鹿児島市医師会病院からは川添 晋先生,京都大学の国内留学から徳重明央先生が帰って参りました。いずれの先生も,前述の如く病棟にとってなくてはならない存在となっております。

2月には,新入医局員でありました山筋先生が垂水中央病院に出向されております。益々の活躍とともに内科的な知識を高めていることと思います。

3月には川浪憲一先生が鹿児島刑務所に異動となっておりますが,もちろん天文館で暴れたための出向ではありません。現在は毎週月曜日に心筋シンチを施行いただいており,飲み会の芸に精をだしてもらっています。

4月には大きな異動がありました。明るい話題としては,今年度は有川朋芳先生,柴田啓佑先生,武田綾乃先生,田端宏之先生の4名の新入医局員に恵まれました。いずれの先生方も診療に熱心であり患者さんから信頼され,コメディカルや医師からの評価も非常に高く安心して診療を任せられます。平成25年1月から,順次関連病院に出向していく予定です。将来有望で優秀な先生方でありますが,経験不足な面も否めず至らない点もございますので,ご指導よろしくお願い申し上げます。また,救急部に所属しながら心カテなどで活躍していた吉野聡史先生がメイヨークリニックに海外留学されました。心カテを中心に様々な疾患の治療に携わった尾辻秀章先生が倉敷中央病院に国内留学されています。現在では他科となりますが,血液・膠原病内科で主に膠原病診療に従事されていた駿河幸男先生は県立北薩病院に,糖尿病・内分泌内科で活躍されていた木村 崇先生は大海クリニックにそれぞれ就職されました。

11月には,竹中先生のもと心筋症病態制御講座で活躍していた吉満 誠先生が血液・膠原病内科に異動しております。吉満先生は血液・膠原病内科の病棟医長であり,お互いに協力しながら8階西病棟のベッドコントロールを行っております。

2013年になると新しい教授も赴任され,大きな人事異動もあるかもしれませんが,よりよい医療ができるように皆で頑張っていきたいと考えております。最後になりましたが,関連病院の先生方には多数の患者さんを御紹介いただき感謝申し上げます。今後とも更なるご指導・ご鞭撻の程,よろしくお願い申し上げます。

病棟患者様疾患内訳(2011年11月~2012年10月)

心臓血管内科全入院患者様数 560名

虚血 164名

不整脈 197名

上室性不整脈 154名
心室性不整脈 33名
徐脈性不整脈 10名

心不全/心筋症/心筋炎 85名

弁膜症 22名

大動脈疾患 9名

末梢動脈疾患 11名

肺動脈性肺高血圧症/肺塞栓症 42名

感染性心内膜炎 4名

先天性心疾患 2名

その他 24名