患者様へ:当科が専門的に行っている疾患・治療
患者様向け
末梢血管の血管内治療(EVT)
歩くと足が痛くなり、休憩すると良くなるといった症状が出現する疾患の中で、下肢(足)に血液を送る動脈が狭くなったり、閉塞してしまう閉塞性動脈硬化症と呼ばれる疾患があります。進行すると歩ける距離が短くなったり、安静時にまで痛みが出現するようになり、重症の場合には、血液の流れが乏しくなり足に潰瘍ができたり、腐って(壊死)切断に至ってしまうこともあります。 こうなると予後は不良で、大腸癌や乳癌よりも5年生存率が悪いといわれています。このような閉塞性動脈硬化症に対し、カテーテル治療を行います。カテーテルと呼ばれる直径約2mm前後の管を血管の中へ入れて、カテーテルを介して運んだ風船で狭窄や閉塞部位を拡張する事により、血液の流れを良くする治療です。風船で広げるだけでなくステント(金属のあみ)を使用する場合もあります。休み休みでないと足が痛くなってしまう、何ヶ月も足の傷が治らない、安静時に足が痛い、膝上や膝下での切断が必要と言われた患者さんは、かかりつけ医と相談のうえ、当院受診を検討してみてください。また、この治療は、下肢だけでなく、上肢(手)や脳、腎臓への血液を供給する鎖骨下動脈や難治性高血圧の原因となる腎動脈の狭窄に対しても、行う場合があります。