研究:研究グループ
心不全グループ
メンバー紹介
左より 窪薗琢郎、小島聡子、山口 聡、川添 晋
現在、川添医師、小島医師、山口医師、窪薗の4名で診療を行いながら、研究や教育にも力を注いでおります。
心不全はすべての心疾患の終末像であり、治療に難渋することも多く、個々の症例に応じて病態や重症度が大きく異なるため、どのような治療が最も適しているかを検討しながら治療にあたっております。すべての心不全患者の診療を行っておりますが、大学病院の特性上、比較的若年の心不全患者さんが多くなってきております。心機能障害の原因精査を綿密に行い、心筋生検の症例も増加しております。適切な薬物・非薬物治療を行うように努めており、心機能が改善し、社会復帰を果たされる患者さんもいますが、残念ながら心機能の改善が望めない若年の患者さんにおいては、心移植を見据えて、大阪大学や九州大学と連携を行っております。移植までのブリッジとして、植込み型補助人工心臓を挿入された患者さんも移植施設と協力しながら当科外来で診療に当たっております。最近では、心臓移植の適応がない重症心不全患者に心臓移植を前提とせずに左心補助人工心臓を植え込むDestination therapyが保険適応となり当院でも診療を行っております。また、近年、心不全に対する緩和医療の重要性が指摘されるようになり、当科でも緩和ケアチームと連携をとりながら、患者さんに満足のいく加療が提供できるよう務めております。
近年、検査方法や薬剤の進歩により、二次性心筋症の診療が大きく変わってきております。心サルコイドーシスにおきましては、PET-CTが鋭敏に活動性を評価できることから、ステロイドの適応や用量調節に用いられます。当科におきましても、積極的に検査を行い、早期診断を行い、適切な治療に結び付けられるよう日常診療を行っております。また、心アミロイドーシスにおきましては、治療が著しく進歩し、これまで対症療法しかできなかった患者さんに対し、根本的な治療ができるようになってきました。すでに、多くの先生方からご紹介いただいておりますが、心機能障害が進行する前に適切な治療を行うことが重要であるため、益々のご紹介をお願いいたします。
心臓リハビリテーションも充実してきております。医師、心不全認定看護師、病棟看護師、理学療法士、管理栄養士、薬剤師といったチームで話し合いを行い、問題点を洗い出し、早期退院及び在宅での生活指導に力を入れております。外来心リハも症例数が増加し、心血管疾患再発予防に向けたよりよい医療が提供できるようになりました。
研究面においては、かねてから心不全と運動耐容能について着目し、運動耐容能低下の原因検索や生命予後との関連について調査して参りました。最近では、厚生連健康管理センターのデータベースをもとに様々なデータを報告しております。また、垂水市一般住民に協力頂いているコホート研究にも力を入れており、益々多くの臨床的データを報告できると考えております。