鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学

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Department of Cardiovascular Medicine and Hypertension, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Kagoshima University

研究について

研究:研究グループ

心不全グループ

2023年 心不全グループのあゆみ

窪薗琢郎,川添 晋,小島聡子,川畑孟子,山口 聡

2023年の最も大きな変化は,メンバーの異動があったことです。これまで中心的役割を担ってきた川畑孟子先生が3月いっぱいで今村総合病院に異動となりました。川畑先生は,診療センスが抜群で,どんな患者さんでも速やかに的確に対応ができ,研究に関してもきちんと成果を出され,診療と研究のバランスが非常によい先生でした。このような素晴らしい先生が異動となるのは大きな痛手になりますが,4月から山口 聡先生が加わり,日常診療に奮闘していただいております。山口先生は,若くして大阪大学に国内留学し重症心不全診療を経験しております。いったん大学に戻った後,天陽会中央病院で多くの心血管疾患患者の診療を行っており,安定した診療を行うことができます。

川添医師,小島医師,山口医師,私をあわせた医師4名で診療を行っており,病棟診療は小島医師と山口医師が中心となって行っております。小島医師は4月から特任助教となり副病棟医長として,心不全以外の循環器疾患患者さんの診療にも携わり,これまで以上にパワフルに診療しております。川添医師と私は外来診療が中心となっておりますが,若年重症心不全や心アミロイドーシスに罹患した超高齢心不全患者,ICD 植え込みやMitraClip の適応の検討,心房細動による心不全に対するアブレーション検討など,数年前と比べると複雑な症例が増え,多くのことを考えながら診療を行う必要が出てきました。

心不全グループだけでなく,他のグループの先生方や他科の先生方,メディカルスタッフなど,多くのスタッフとディスカッションをしながら治療方針を決定していく必要があり,病院の総合力がいかに重要か痛感しております。入院患者さんにおきましては,これまで同様,ECMO やImpella が挿入されるような超重症心不全患者の診療やLVAD が挿入された患者なども含めて総合的に診療を行っております。

研究におきましては,川添医師は厚生連の健診データを用いて,CKD やメタボリックシンドロームのリスク因子を同定し,それらの発症リスクを予測するスコアリングを作成いたしました。小島医師は,動脈硬化の指標であるプラークスコアの進展に関連する因子が進行段階に応じて異なることを明らかにしました。私は,垂水研究のデータを用いて,血圧変動性と排便状況に関する論文を作成しました。いずれも国際的に認められた雑誌に掲載されております。山口先生は日本心不全学会で立派に発表されました。

垂水市におけるコホート研究も竹中先生や桑波田先生の協力のもと,新型コロナウイルス感染症の感染状況を見ながら開催しました。血圧測定と高血圧教室に関する研究もすすめております。今後も,垂水市から新しいデータを発表していく予定です。ご協力いただいている関係者にはこの場を借りて御礼申し上げます。

最後になりましたが,関連病院やOB の先生方には多くの患者さんを御紹介いただき感謝申し上げます。今後も益々のご指導・ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

文責:窪薗琢郎