鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学

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Department of Cardiovascular Medicine and Hypertension, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Kagoshima University

研究について

研究:研究グループ

高血圧・動脈硬化グループ

メンバー紹介

左より 徳武大輔、赤﨑雄一

高血圧症に対する取り組み

平成24年の厚生労働省の人口動態統計によると、鹿児島県の各疾患における人口10万人あたりの死亡率は、心疾患14位、脳血管疾患7位、大動脈瘤・大動脈解離1位、腎不全3位、糖尿病7位と、いずれも高血圧・動脈硬化関連疾患で不良な状況にあります。これらに対してAll鹿児島で対応するべく県下の多くの先生方と病診連携の会を始めとした様々な機会を通じて情報共有のもとお力添えいただきながら鹿児島における高血圧関連死を減少させるために努力しております。

また当グループでは「高血圧ゼロの街 枕崎」をスローガンに、高血圧の予防から適切な治療の充実を図ることで、脳卒中死亡数を減少させる取り組みを行っています。鹿児島県の薩摩半島南端に位置する枕崎市は鰹節生産で有名な所ですが、死因に占める脳卒中の割合が全国で最も多い市町村です。この問題を解決するため、市役所や公民館などの公的施設や、スーパーなど多くの人が利用する民間施設にいたるまで血圧測定機器を設置し、全市民の血圧測定を達成するとともに、医療スタッフや保健所の方々への定期的な講演やミーティングを通じて高血圧リテラシー向上を図る働きを、枕崎市・中核病院・保健所・医師会・民間施設そして大学病院などが一体となって取り組んでいます。

病診連携における当グループの役割として、難治性高血圧症例の血圧コントロールをつけることを第一に考えております。難治性高血圧外来を開設しておりますので、通常の内服薬で血圧コントロールが難しい患者様を御紹介下さい。紹介していただいた症例につきましては、原因精査の上血圧コントロールをした後、逆紹介させて頂いております。

二次性高血圧のルールアウトについて

二次性高血圧については、以下のように様々な原因があります。

当科では、これらの二次性高血圧のルールアウトを行っておりますが、頻度の高い疾患について、別途以下に説明させていただきます。

高血圧・動脈硬化疾患患者様に対して、血管機能検査などの様々な検査を行うことで臓器合併症などの病態把握を行う短期間入院を用意しております。今後、病診連携や患者教育、我々の診療力を磨くことで、鹿児島における心血管関連疾患の予防や治療の向上に貢献していけたらと考えております。現在、難治性高血圧・動脈硬化外来を開設いたしております。二次性高血圧のルールアウトのみならず、血圧コントロールの難しい患者様がいらっしゃいましたら、ご紹介よろしくお願いいたします。

家族性高コレステロール症に対する診療

当グループでは家族性高コレステロール症の診療を行っています。2022年に動脈硬化性疾患予防ガイドラインが改定になりました。その中で前回から変更となった点の一つに家族性高コレステロール血症の診断基準があります。新たに設定された診断基準は以下の通りです。疑われる患者様がいらっしゃいましたらご紹介下お願いいたします。

末梢動脈疾患に対する取り組み

鹿児島県は人口10万対人工透析患者数が全国でも上位に位置しており、その合併症である末梢動脈疾患(Peripheral Arterial Disease:PAD)・包括的高度慢性下肢虚血(Chronic Limb-Threatening Ischemia:CLTI)も決して少なくありません。PADは下肢などの末梢血管に動脈硬化性狭窄病変や閉塞を生じることで、間欠性跛行、安静時疼痛そして組織の壊死や皮膚潰瘍を来す疾患ですが、肢の予後のみならず生命予後も不良であり、その要因として心疾患(冠動脈疾患)・脳血管疾患・末梢血管疾患が高率に合併することが知られています(こうした状況をPoly-vascular Diseaseと呼びます)。当グループでは、PAD/CTLIに対する診断、合併症評価、血行再建治療や合併症治療、創傷治療まで、多診療科や他部門および他施設とカンファレンスを行いご協力いただきながら集学的治療に取り組んでいます

PADを早期に発見し、肢を救済し生命予後を改善していくために、当グループでは市民公開講座による啓発活動にも注力しています。ここ数年はcovid19感染症の関係で実施が出来ずにいますが、毎年敬老の日の時期に『“足の痛み”それ「動脈硬化」かもしれません―TAKE! ABI』と題して、市民向け講演会と、実際その場でABIを測定し医師が相談に応じる会を開催しています。

当科ではPAD/CLTIの予後に影響する因子を様々な角度から探索する研究を行っており、GNRIで評価した栄養状況の不良が重要な因子であることを明らかにしていることから、栄養に関連したシグナルの賦活化や特定栄養素の補充による新たな包括的治療方法の開発研究を基礎研究と臨床研究の双方からアプローチしています。また、当グループの基礎研究部門で得られた知見を基にした新たな治療デバイスの開発研究、イメージング開発研究やバイオマーカー開発研究も進行中です。