鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学

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Department of Cardiovascular Medicine and Hypertension, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Kagoshima University

研究について

研究:研究グループ

心臓カテーテル グループ

2023年 心臓カテーテル グループのあゆみ

神田大輔,大牟禮健太,福元大地, 下野洋和,田端宏之,伊東伸洋

2023年,新型コロナウイルス(COVID-19)感染症は5月,ようやく第5類に移行したものの,当院は年明けとともに再びクラスターが発生。昨年同様,複数病棟の一時使用制限やICU での重症コロナ患者多数受け入れと病院スタッフの大量出勤停止に伴う救急受け入れの停止やベッドの通常運用の制限など日々流動的に対応せざるを得ないスタートの年でした。

その後,ウイルスの弱毒化とともに,徐々に重症は減ったものの,ベッド運用はコロナ前のような自由度が制限されながらの対応を余儀なくされ,関係各所にもご迷惑をおかけし大変申し訳ございませんでした。

さて,今年も当グループではカテーテルインターベンション治療を中心に診療を行ってまいりました。心臓血管外科の協力の下,昨年以降本格的な稼働が開始となった心血管病低侵襲治療センターを中心に,これまで鹿児島では治療ができなかった心臓疾患に対する介入を進めております。

また,昨年に引き続き,カテ室専従のCE の面々も,日々症例をこなしながら頑張ってくれています。PCI におけるデバルキング(ロータブレーター・ダイアモンドバック・IVL:ショックウェーブ)やIVUS,OCT といったイメージデバイスに加え,心原性ショック時のIABP/PCPS/IMPELLA,カテ室での心房中隔欠損・卵円孔開存(ASD/PFO)に対するカテーテル閉鎖術など,全てにおいて休日祝日及び昼夜問わず,大活躍してくれています。また,当院では今まで以上に複雑化したカテーテル治療に際し,看護師・放射線・生理検査技師の皆さんもいつも遅くまで協力していただき,ハートチームのメンバーとして皆で支えてくれています。

研究面においては,徐々に現地開催に戻りつつある学会で,カテデータを基に昨年同様,地方会のみならず,日本循環器学会総会,ACC,ESC,AHA,CVIT 総会,日本老年医学会総会,日本心臓病学会,日本動脈硬化学会といった全国学会・国際学会で,それぞれの面々が研究発表や症例発表を行うことができました。本年は,3年ぶりにESC(オランダ:アムステルダム)やAHA(アメリカ:フィラデルフィア)にも現地参加の上で発表を行い,大学院生を中心に頑張ってもらっています。また,学位論文も着実にアクセプトにつながっており,臨床の傍ら,それぞれ努力した成果を結果に繋げてくれています。

本年は,4月から無事学位を取得された安﨑先生が出水郡医師会広域医療センター循環器内科部長として,また,当院のTAVI 導入立ち上げから尽力頂いた薗田剛嗣先生が県立北薩病院第二循環器内科部長として新たなるステージへ転出されました。その後任として,小倉記念病院への構造的心疾患(SHD)に対するカテーテル治療の留学から田端宏之先生が帰局され,鹿児島厚生連病院からは下野洋和先生が大学へ戻られました。また,県立薩南病院に出向していた伊東伸洋先生が4月から新たに大学院生として戻ってきてくれました。

3人とも,先任の大牟禮健太先生,福元大地先生と一緒に日常の診療に加え研究及び学位取得を目指してそれぞれ新たなスタートをきっています。本文を執筆中には,福元大地先生・下野洋和先生も無事論文アクセプトを経て,学位審査準備に入っております。

本年は,神田が医局長業務を兼任しておりますため,カテ室・外来業務も含め,グループ全員が協力して支えてくれており,大変ありがたく思っております。また,琉球大学に異動された德重先生には引き続きOK-ACS レジストリーを含む研究のサポートをお手伝いいただいております。

最後になりましたが,本年も関連病院や開業医の先生方から多くの患者様をご紹介頂き,誠にありがとうございました。この場をかりて御礼申し上げます。引き続き,For The Patient の信念で患者様に満足していただける医療を目指し,取り組んで参りたいと思いますので,今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

文責:神田大輔