教授ご挨拶
教授ご挨拶(バックナンバー)
2018年9月掲載
2018年4月2日に一般社団法人鹿児島ハート倶楽部を立ち上げて、代表理事に就任しました。法人の主な活動に関しては法人HP https://www.k-heartclub.com/ をご参照ください。鹿児島の医療を支え発展していくためには、大学だけでの活動では限界があると考えていました。大学とそれを支える機関が夫婦のように寄り添うことで、より効率的な活動ができると考えて鹿児島ハート倶楽部を設立しました。基本理念は、「鹿児島医療圏の医療、特に循環器診療の充実と若手医療人の育成、および同医療圏住民の健康増進・豊かな生活を確保・推進すること」としております。この考えのもと、主に下記5つの活動をしようと考えております。
- 臨床・基礎研究支援
- 垂水研究の推進
- 病院と医師の架け橋
- 女性・若手医師のキャリア形成支援
- 若手医師研究施設-はぁと村-運営
忙しい臨床の中で効率的に研究を進めていくためには、基幹病院でデータを収集するCRCを雇ってデータベースを作成して、これをオール鹿児島で統一化が図ることができれば、素晴らしい臨床研究につながると思います。
赴任した当初より人口移動が少なく高齢化がすさまじいスピードで進んでいる鹿児島県で、高齢者を対象としたコホート研究ができないだろうかと考えておりました。
この鹿児島の利点を最大限に生かして、全国に発信するために垂水市で高齢者コホート研究を行うことにしました。これからはますますチーム医療が重要になるだろうと考えて、我々医師だけではなく、歯学部、薬剤師、理学療法、作業療法、管理栄養士、保険師、心理学など多方面から参加していただく高齢者の方々を評価しようと思っております。
今後さらなる高齢化社会を迎えることを想定して、エンドポイントは心不全や認知症発症という今後爆発的に増えるだろうという疾患だけでなく、介護保険の減額などを中心としたADLの改善も視野に入れております。
本研究では産学共同事業を積極的に推進することも併せて考えております。まずは私の専門でもある高血圧を詳細に検討するために、オムロンヘルスケアと共同研究契約を結び、参加者に最新の家庭血圧計を無料配布するとともに、約2か月ごとに高血圧教室を開催し、血圧に関する啓発活動がどれくらい高血圧管理に関係し、予後をよくするのかを検討することを平成30年10月より開始いたします。
緊急時に安定して医師が派遣できるように病院と医師の架け橋となる活動も考えております。鹿児島ハート倶楽部が中心となってLINEを用いた医師互助集団を形成して、急に医師が勤務できなくなった時に、速やかに変わりの意思を探すシステムを運営したいと考えております。
最後に、鹿児島という地の利を生かして、鹿児島の里山に「はぁと村」という畑や古民家のある環境を整備して、若手医師の研修や家族の触れ合いの場を提供できればと考えております。
鹿児島ハート倶楽部は無限大の可能性を秘めていると考えております。この活動は善意の寄付で成り立っております。社団法人のHPに詳細を記載しておりますので、ご興味のある方は一度覗いていただけましたら幸いです。