鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学

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Department of Cardiovascular Medicine and Hypertension, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Kagoshima University

講座について

教授ご挨拶

教授ご挨拶

最後の仕上げに向けて新たなスタート
鹿児島大学 心臓血管・高血圧内科学
心血管病予防分析学
  教授 大石 充

心臓血管・高血圧内科学分野教授 大石 充

2025年度がスタートしました。丸4年を残すのみとなり、『最後の仕上げ』をする時期に差し掛かりました。就任して12年間は、周りに恵まれてわがままいっぱい楽しんできました。いろいろな方々から「鹿児島の循環器医療は大石先生が来てから変わったよ」とお声がけいただくことが非常にうれしく感じます。

2025年度は特に忙しくなりそうです。まず1つ目は8月4日~21日にかけて行われる第77回西日本医科学生総合体育大会(通称西医体)です。今年は鹿児島大学が主管校として鹿児島県を中心として開催されます。私は主管校を代表して理事長を拝命しております。西医体は学生中心で運営されますが、2万人が終結するマンモス大会で、約20億円の経済効果があるとされており、学生だけではなかなか運営が難しく、要所要所で助言をしていくことになります。南国鹿児島で真夏の大会です。熱中症やけがなど今から何が起こるか大変心配です。実は2021年にも主管校となり私が理事長を務めておりましたが、新型コロナ禍で開催できませんでした。九州グロック特に長崎大学のご厚意により主管校がスライドされることになって今年再び主管校となりました。主管校は約40年に一度巡ってくるものであり、理事長は主管校の理事が1年間だけ就任することになっています。長い西医体の歴史の中でも2回理事長を拝命したのは私だけではないかと思っております。何はともあれ無事に3週間が過ぎてくれることを願っております。

2つ目として4月より病院DX化担当副病院長および医療情報部長を拝命しました。今年度中にスマホを病院業務に導入し、AIによる効率化やIoTを用いた鹿児島医療圏の包括的な連携を推し進めたいと思っております。以前、医療安全部長と感染制御部長を務めていたことがあり、大学病院でこの3つの主要な部長を歴任したことがある人はいないのではないかと思っております。大変貴重な体験をさせていただいていることに感謝しかありません。数か月の勉強でしかないのですが、AI・IoT・DXの応用は新しい医療体制に対して眩しいばかりの輝きを呈しております。鹿児島大学スマートホスピタルを実現し、鹿児島県内をIcTで連結させて、働く人と患者さんに優しい医療体制の実現を目指しております。

3つ目は国際化です。タンザニアからの国費留学生だったAnwar Ahmed Salim先生が橋渡しとなってタンザニアのBenjamin Mkapa Hospital(University of Dodomaに隣接)と国際交流の締結に向けて最終調整段階になっています。鹿児島大学からの医療技術提供および両機関間の共同研究が主な柱となっております。大阪万博のTanzania National Dayにタンザニア首相が来日してセレモニーおよびビジネスミーティングが予定されており、私も招待されています。両国の親善だけでなく医療の発展と両国の橋渡し研究を通して新しい発見ができればと思っています。

4つ目は脳卒中・心臓病等総合支援センター事業です。中途半端な時期からの事務員募集で、なかなか人材に恵まれませんでしたが、今年の3月から非常に優秀な事務員を雇うことができました。私の尊敬する小川久雄熊本大学学長(前国立循環器病研究センター理事長)が常日頃仰っている言葉『組織は人』の通りに、彼女がセンターに入ってくれてから仕事があっという間に進んでいきました。本事業では少し遅れを取っておりましたが、彼女の加入により一気にトップランナーに躍り出る(あまりに差がついている感は否めませんが・・・)くらいの気構えで頑張りたいと思います。特に離島・僻地の脳卒中・循環器診療の充実に寄与できればと思っております。

これら4つよりも重要な、教授として教室を運営する仕事に全力を注がなければなりません。昨年度末に重要なセクションのメンバーが離脱をして、教室の未来に暗雲が立ち込めています。一朝一夕で体制を整えることができる状況ではありませんが、一歩一歩出来ることから頑張りたいと思います。これも最後の仕上げに向けた神様のお土産だと思って、新たなスタートを切りたいと思います。還暦を過ぎて疲れが抜けなくなりました。諸先輩方の元気なお姿を見ると、その力の源が欲しいと切実に思ってしまいます。