鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学

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Department of Cardiovascular Medicine and Hypertension, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Kagoshima University

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教授ご挨拶

教授ご挨拶(バックナンバー)

2015年1月掲載

2015年、更なる飛躍を目指して
心臓血管・高血圧内科学分野教授 大石 充

2015年明けましておめでとうございます。医局員一同、本年も御指導・ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

さて、鹿児島に赴任して来て2年が過ぎようとしています。鹿児島循環器医療のために十分に役目を果たしただろうかという自問自答の毎日ですが、2014年は病診連携の会と鹿児島循環器カンファレンスの2つの大きな成果を得ることが出来ました。地域で信頼される大学病院、学生や研修医にとって魅力ある大学病院を目指して、「24時間365日すべての循環器医療を鹿児島で完結する」をスローガンとした活動を少しでも分かっていただくために、鹿児島大学病院医療圏全22医師会(鹿児島県全域と宮崎県の一部)と病診連携の会を行って皆様と顔の見える関係を作ることが出来ました。この病診連携の会を通して、患者さんのご紹介だけではなく、地域の先生方の医療への取り組みを教えていただくことが出来ました。また、旧一内科・旧二内科関連の県下29施設が参加する若手循環器内科医育成のための「鹿児島循環器教育協議会」が発足しました。これが母体となって鹿児島県全域の循環器医療のケースカンファを行う目的で「鹿児島循環器カンファレンス」を11月22日に開催しました。非常に大盛況で各々のケースに旧一内科・旧二内科関係なく熱い議論が戦わされて時間が足りなくなるほどでした。これらの活動を通じて手と手を取り合いながら鹿児島循環器医療の教育・診療・研究の発展に寄与していけるのではないかと思っています。

2015年をさらに飛躍した年にするためには・・・ この頃自分にとって気になるとともに、課題としているものに「目線」があります。良く「他人の目線に立って」等と言われますが、人および職種によって目線の出る位置・角度・強さが違います。「目線」を合せたり、「目線」に立ったり、といったことは循環器診療および教育に非常に重要であります。学生や研修医が選びたくなるような魅力ある研修コース・カリキュラムをシステマティックに作成されている例では、指導者・教育者が研修医目線、学生目線をしっかりと持って作成されており、彼らに決して媚びることなく充実した内容となっています。目線を的確な位置に設置することによって、当事者が何を求めており、何が足りないのか、どのようにしたら習得できるのかを的確に把握した結果であろうと思われます。ハートチームが重要視されている循環器医療の現場でも目線は重要で高度なパフォーマンスが要求されます。職種に上下がないように目線には高低はなく、チーム構成員や患者さんの目線に合せることが大切です。チーム構成員は自分自身の目線をしっかりと持って診療に当たらなければいけないが、同時に他のチーム構成員の目線となって物事の判断をしなくてはいけない、あるいは自分自身と2つの目線を同時に使い分けるようなことが必要になってきます。まさに目線を高度に操ることが必要です。

「目線」を操ることで見えてくる2015年の目標。それは若手医師の育成と救急を含めた循環器医療の充実です。総論としては永遠のテーマですが、目線を意識することによって各論は変ってきます。如何に学生・研修医自らが満足をする循環器教育を共有できるか、若手医師・特に女性医師が将来の不安なく医師としての将来像を描けるのか、実地医家・救命救急士・院内コメディカルおよび地域住民が各々循環器医療に気持ちよく携わっていく環境が作れるか、など2015年の各論の夢は尽きることを知らない・・・ 今年も全力で前進あるのみ、夢と希望に満ちあふれた若者達と共に歩んでいきたいと思っています。来たれ! 活気ある若者達よ、一緒に道を切り開いていこうではありませんか!!